こんにちは、ネイトです。
今回は、ねじ穴加工をする時に使う、
タップの種類と使い分けについての話です。
ねじ穴を加工する時に使用する工具のタップ。
タップの種類は大きく分けて、
スパイラルタップとポイントタップの2種類があり、
それぞれ特徴があります。
加工する状況(下穴の形状など)によって
スパイラル、ポイントタップを使い分ける必要があり、
きちんと使い分けしてないと、
タップが折れてしまうなどのトラブルが起こり、
不良品を出して再製作という事になるんですね。
僕は高卒の18才の時から汎用旋盤を使い始めたのですが、
ねじ穴加工をする時に
ポイントタップとスパイラルタップの特徴を理解せずに使ってしまったので、
タップを折ってしまい不具合を発生させてしまいました。
あのパキッという音を立ててタップが折れた時のショックは、
今でも鮮明に覚えています。
そのような不良品を出さないように、
今回はスパイラルタップとポイントタップの特徴と使い分けを紹介します。
目次
スパイラルタップ
スパイラルタップの特徴は、
タップを入れた際に切粉が外に向いて出てくるということですね。
その恩恵により、
切粉が詰まりにくくなるので
止まり穴のタップ加工に向いています。
しかし切粉を外に向いて逃がしながら入っていく為、
ポイントタップと比べてねじ穴が広がりやすくなる。
使用するタップのメーカーのタップによって、
ネジゲージで検査した場合に
限界ゲージが入ってしまい不良品になる場合があるので
注意が必要です。
例※A社のスパイラルタップだと問題なく加工できるが、
B社のスパイラルタップで加工したら、
ねじの限界ゲージが入ってしまうといった感じですね。
また、M6以下のねじ穴加工をする場合、
切粉が外に逃げるといっても
深いネジ穴加工を一気に加工すると、
切粉の排出が悪くてタップが折れる場合がある。
もし一気にタップを入れて折れる場合は、
途中までタップをタッパーなどで入れ、
その後、切粉を抜きながら
手でさらえるようにしたら折れにくくなる。
ポイントタップ
ポイントタップの特徴は、
タップを入れた際に切粉が下に向かって出ていきます。
なので貫通穴のタップ加工に向いています。
また切粉を下に向いて逃がしながら入っていくので、
スパイラルタップと比べて切削抵抗が低いですね。
貫通穴でスパイラルタップだと1発で入れたら折れてしまう深さも
ポイントタップだと1発で加工しやすくなりますね。
また、手でタップをさらえる時に、
スパイラルタップだと固くて入れにくい時も、
ポイントタップだと入れやすくなります。
もしポイントタップで止まり穴のタップをさらえる場合、
少しずつ入れてから切粉を抜いて、
また入れていくというように加工すると、
ポイントタップでも切粉が詰まって折れずに
止まり穴のねじ加工ができます。
スパイラルタップ、ポイントタップの加工。
2つの動画を見たら切粉の出方がよくわかりますが、
初心者が間違えやすいミスとして、
止まり穴にポイントタップを入れてしまい、
切粉が詰まって折れてしまうミスが多いですね。
そしてポイントタップで
止まり穴のねじ加工をさらえる時にも、
切粉を抜かずにどんどん入れていって、
タップが折れるといった失敗が多くなりがちです。
僕も初心者だった頃に
上記の2つのミスをやってしまいました。
特に止まり穴のねじ穴加工をする時に
スパイラルタップだと固くて折れそうだったので、
ポイントタップを使ってさらえていたら
切粉が詰まってよく折っていました。
「切粉抜くのがめんどくさいな~・・・・・もう少しくらい入れてもいいだろ」
・・・・・パキッ・・・・みたいな感じですね(笑)
スパイラルタップとポイントタップの特徴、
切粉が上に出るか下に出るか。
その特徴を理解して使い分けをすると、
タップ折れの失敗を減らすことができます。
特に経験が浅い方がやってしまいがちな失敗になるので、
注意が必要です。
他にも、タップ加工中に折れる原因と対策をまとめましたので、
合わせてごらんください。