こんにちは、ネイトです。
今回は、汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す方法を
動画とテキストで紹介します。
目次
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す手順は?
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す手順は、
①回転センターにバイトの刃先を持っていき、大まかな高さを確認する。
②低い場合は敷板(紙)を敷いて高さを上げる、高い場合は敷板を引いて高さを下げて調整する。
③実際に材料の端面(真鍮)を削って、削った端面の状態を確認して(目視、触診)バイトの高さが正確に出ているかを判断する。(削る時は必ず手動で送る)
④高さが出ていない場合は②方法で調整して、再び③の項目を行う。
この手順でバイトの高さを確認すると、
正確にバイトの高さを出すことができます。
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2019/07/img_2103-300x225.jpg)
回転センターでバイトの高さを見る方法は、
一般的に紹介されていますが、
この方法だとバイトの大まかな高さは確認できても
正確な高さを確認するのは難しいです。
バイトの高さは中心よりも0,1mmでも違うと、
綺麗に端面を削ることはできずに、
バイトの高さが正確に出ているとは言えません。
回転センターの先にバイトの刃先を持って行き、
目視で確認して0,1mmも違わずに
正確に高さを出すことは、
経験を積んだ職人でも、かなり難しい作業になります。
なので回転センターでバイトの高さを見る方法は、
あくまで大まかな高さを見る手段として考えます。
そして正確な高さを見るのは、
材料の端面を削って、削った端面の削れ方を見て、
バイトの高さが出ているかを判断する方法が、
正確にバイトの高さを出す方法になります。
バイトの高さが正確に出ているとき、
高い時、低い時で端面の削れ方に特徴があるから
それぞれの特徴さえ押さえておけば、
初心者でもすぐにわかります。
バイトの高さが中心より高い時の端面の削れ方
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2018/07/R9134323-300x225.jpg)
バイトが中心よりも高い場合の端面は、
中心付近を押しつぶした感じで削れていき、
中心付近が盛り上がった感じになります。
画像のように目視でも確認できますし、
動画のように指で触っても確認できます。
また横送りハンドルを手動で送っている時に、
中心付近にいくと切削抵抗が強くなり、
横送りハンドルが重たくなってきます。
この横送りハンドルが重たくなるのでも、
バイトの高さが中心よりも高いと判断できます。
そしてハンドルが重たいまま無理やり中心まで削ると、
チップが欠けてしまう場合があります。
特に経験が浅い方がやりがちなのですが、
新品のチップが欠けてしまうと、
上司に「チップを大事に使え」などと怒られて
嫌な気分にもなってしまいます。
バイトの刃先が中心よりも高い場合の
チップ欠けを防ぐテクニックは、
横送りハンドルが重たくなったと感じた時は、
中心まで削らずにハンドルが重たいと感じた時点で、
送るのをやめてバイトの高さを調整すると、
チップ欠けを防ぐことができます。
バイトが中心よりも高い場合は、
端面の削れ方だけで判断するだけでなく、
中心付近にいくと横送りハンドルが重たくなるという、
手元に伝わる感覚でも判断すると、
バイトの高さが高いと判断することができます。
バイトの高さが中心より低い時の端面の削れ方
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2020/01/R9134320.jpg)
バイトの高さが中心よりも低い場合は、
中心付近に突起物(イボ、ヘソ)が残るので、
初心者の方でもすぐにわかります。
中心に突起物(イボ、ヘソ)が出るので、
見た目でもわかりやすいですし、
イボが小さい場合でも指で触ると
すぐにわかります。
しかしバイトの高さが高い時のように、
中心付近まで削っていっても、
横送りハンドルの重たさは変わらないので、
ハンドルの重たさの変化では
バイトの高さが低いと判断するのは難しいです。
なのでバイトの高さが中心よりも低い場合は、
中心の突起物(イボ、ヘソ)が出ているのを、
目視、触診で確認するようになります。
バイトの高さが低い時は、
高い時に中心付近を削った時のように、
チップは欠けやすくないです。
しかし欠けにくいとはいえ、
回転に対して送りが早すぎた場合は、
高さが低い時でもチップが欠けやすくなるので、
注意が必要です。
バイトの高さが正確に出ているときの端面の削れ方
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2018/07/R9134325.jpg)
バイトの高さが正確に出ているときは、
中心にイボが出たり、盛り上がったりすることもなく、
画像のように綺麗に削れた端面になります。
見た目で判断しにくい場合は、
指の腹で端面を触って確認すると、
バイトの高さが高い時のように盛り上がることもなく、
バイトの高さが低い時のようにイボが出ることもなく、
端面が綺麗なフラットに削れているのを確認しやすくなります。
バイトの高さが高い時と違いが分かりにくいかもしれませんが、
指の腹で端面を触ると、バイトの刃先が高い時は端面が盛り上がっているので、
正確に高さが出ている時との違いが判断できます。
なので、バイトの高さが正確に出ているか判断するのは、
端面を削った後に目視と触診をして、
高さが正確に出ているか判断すると、
正確に判断することができます。
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2020/03/バイトの取り付け方-320x180.jpg)
まとめ
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す方法は、
①回転センターにバイトの刃先を持っていき、大まかな高さを確認する。
②低い場合は敷板(紙)を敷いて高さを上げる、高い場合は敷板を引いて高さを下げて調整する。
③実際に材料の端面(真鍮)を削って、削った端面の状態を確認して(目視、触診)バイトの高さが正確に出ているかを判断する。(削る時は必ず手動で送る)
④高さが出ていない場合は②方法で調整して、再び③の項目を行う。
この手順で行います。
回転センターでバイトの高さを出す方法は、
人が目視で確認するようになるので、
大まかな高さは出せても
正確な高さを出すことは難しいです。
なので必ず材料(真鍮)の端面を削って、
その削った端面の状態を見て(目視、触診)
バイトの高さは正確に出ているかを判断します。
バイトの高さが中心よりも高い場合の端面は、
中心を押しつぶした感じで盛り上がり、
横送りハンドルが中心にいくにつれて重たくなります。
バイトの高さが中心よりも低い場合の端面は、
中心に突起物(イボ、ヘソ)が残るので、
目視、触診ですぐに判断することができます。
横送りハンドルは重たくならないので、
ハンドルの重たさの変化では判断できません。
バイトの高さが正確に出ている場合は、
指の腹で端面を触って確認すると、
バイトの高さが高い時のように盛り上がることもなく、
バイトの高さが低い時のようにイボが出ることもなく、
端面が綺麗なフラットに削れているのを確認できます。
削った端面の状態を目視、触診で確認することで、
正確にバイトの高さが出ているか判断することが可能です。
このような手順でバイトの高さを出すことで、
回転センターでバイトの高さを出すよりも
正確な高さを出すことができますので、
ぜひ実践していただければと思います。
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2017/09/旋盤サムネ-320x180.png)