こんにちは、ネイトです。
今回は、汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す方法を
動画とテキストで紹介します。
目次
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す手順は?
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す手順は、
①回転センターにバイトの刃先を持っていき、大まかな高さを確認する。
②低い場合は敷板(紙)を敷いて高さを上げる、高い場合は敷板を引いて高さを下げて調整する。
③実際に材料の端面(真鍮)を削って、削った端面の状態を確認して(目視、触診)バイトの高さが正確に出ているかを判断する。(削る時は必ず手動で送る)
④高さが出ていない場合は②方法で調整して、再び③の項目を行う。
この手順でバイトの高さを確認すると、
正確にバイトの高さを出すことができます。
回転センターでバイトの高さを見る方法は、
一般的に紹介されていますが、
この方法だとバイトの大まかな高さは確認できても
正確な高さを確認するのは難しいです。
バイトの高さは中心よりも0,1mmでも違うと、
綺麗に端面を削ることはできずに、
バイトの高さが正確に出ているとは言えません。
回転センターの先にバイトの刃先を持って行き、
目視で確認して0,1mmも違わずに
正確に高さを出すことは、
経験を積んだ職人でも、かなり難しい作業になります。
なので回転センターでバイトの高さを見る方法は、
あくまで大まかな高さを見る手段として考えます。
そして正確な高さを見るのは、
材料の端面を削って、削った端面の削れ方を見て、
バイトの高さが出ているかを判断する方法が、
正確にバイトの高さを出す方法になります。
バイトの高さが正確に出ているとき、
高い時、低い時で端面の削れ方に特徴があるから
それぞれの特徴さえ押さえておけば、
初心者でもすぐにわかります。
バイトの高さが中心より高い時の端面の削れ方
バイトが中心よりも高い場合の端面は、
中心付近を押しつぶした感じで削れていき、
中心付近が盛り上がった感じになります。
画像のように目視でも確認できますし、
動画のように指で触っても確認できます。
また横送りハンドルを手動で送っている時に、
中心付近にいくと切削抵抗が強くなり、
横送りハンドルが重たくなってきます。
この横送りハンドルが重たくなるのでも、
バイトの高さが中心よりも高いと判断できます。
そしてハンドルが重たいまま無理やり中心まで削ると、
チップが欠けてしまう場合があります。
特に経験が浅い方がやりがちなのですが、
新品のチップが欠けてしまうと、
上司に「チップを大事に使え」などと怒られて
嫌な気分にもなってしまいます。
バイトの刃先が中心よりも高い場合の
チップ欠けを防ぐテクニックは、
横送りハンドルが重たくなったと感じた時は、
中心まで削らずにハンドルが重たいと感じた時点で、
送るのをやめてバイトの高さを調整すると、
チップ欠けを防ぐことができます。
バイトが中心よりも高い場合は、
端面の削れ方だけで判断するだけでなく、
中心付近にいくと横送りハンドルが重たくなるという、
手元に伝わる感覚でも判断すると、
バイトの高さが高いと判断することができます。
バイトの高さが中心より低い時の端面の削れ方
バイトの高さが中心よりも低い場合は、
中心付近に突起物(イボ、ヘソ)が残るので、
初心者の方でもすぐにわかります。
中心に突起物(イボ、ヘソ)が出るので、
見た目でもわかりやすいですし、
イボが小さい場合でも指で触ると
すぐにわかります。
しかしバイトの高さが高い時のように、
中心付近まで削っていっても、
横送りハンドルの重たさは変わらないので、
ハンドルの重たさの変化では
バイトの高さが低いと判断するのは難しいです。
なのでバイトの高さが中心よりも低い場合は、
中心の突起物(イボ、ヘソ)が出ているのを、
目視、触診で確認するようになります。
バイトの高さが低い時は、
高い時に中心付近を削った時のように、
チップは欠けやすくないです。
しかし欠けにくいとはいえ、
回転に対して送りが早すぎた場合は、
高さが低い時でもチップが欠けやすくなるので、
注意が必要です。
バイトの高さが正確に出ているときの端面の削れ方
バイトの高さが正確に出ているときは、
中心にイボが出たり、盛り上がったりすることもなく、
画像のように綺麗に削れた端面になります。
見た目で判断しにくい場合は、
指の腹で端面を触って確認すると、
バイトの高さが高い時のように盛り上がることもなく、
バイトの高さが低い時のようにイボが出ることもなく、
端面が綺麗なフラットに削れているのを確認しやすくなります。
バイトの高さが高い時と違いが分かりにくいかもしれませんが、
指の腹で端面を触ると、バイトの刃先が高い時は端面が盛り上がっているので、
正確に高さが出ている時との違いが判断できます。
なので、バイトの高さが正確に出ているか判断するのは、
端面を削った後に目視と触診をして、
高さが正確に出ているか判断すると、
正確に判断することができます。
まとめ
汎用旋盤のバイトの高さを正確に出す方法は、
①回転センターにバイトの刃先を持っていき、大まかな高さを確認する。
②低い場合は敷板(紙)を敷いて高さを上げる、高い場合は敷板を引いて高さを下げて調整する。
③実際に材料の端面(真鍮)を削って、削った端面の状態を確認して(目視、触診)バイトの高さが正確に出ているかを判断する。(削る時は必ず手動で送る)
④高さが出ていない場合は②方法で調整して、再び③の項目を行う。
この手順で行います。
回転センターでバイトの高さを出す方法は、
人が目視で確認するようになるので、
大まかな高さは出せても
正確な高さを出すことは難しいです。
なので必ず材料(真鍮)の端面を削って、
その削った端面の状態を見て(目視、触診)
バイトの高さは正確に出ているかを判断します。
バイトの高さが中心よりも高い場合の端面は、
中心を押しつぶした感じで盛り上がり、
横送りハンドルが中心にいくにつれて重たくなります。
バイトの高さが中心よりも低い場合の端面は、
中心に突起物(イボ、ヘソ)が残るので、
目視、触診ですぐに判断することができます。
横送りハンドルは重たくならないので、
ハンドルの重たさの変化では判断できません。
バイトの高さが正確に出ている場合は、
指の腹で端面を触って確認すると、
バイトの高さが高い時のように盛り上がることもなく、
バイトの高さが低い時のようにイボが出ることもなく、
端面が綺麗なフラットに削れているのを確認できます。
削った端面の状態を目視、触診で確認することで、
正確にバイトの高さが出ているか判断することが可能です。
このような手順でバイトの高さを出すことで、
回転センターでバイトの高さを出すよりも
正確な高さを出すことができますので、
ぜひ実践していただければと思います。