こんにちは、ネイトです。
今回は超硬ボーリングバーの
メリット、デメリットについて紹介します。
回転数を早くして加工時間を短縮したい、
加工中にハイスのボーリングバーが逃げて円筒度が出ずにH7の公差が出しにくい
といった内容に困っている人におすすめです。
上記の中でも特に
小径の内径仕上げの時に
絶大な効果を発揮します。
エンドミルにハイスと超硬の2種類があるのは
知っている人も多いと思いますが、
ボーリングバーにも大きく分けて
ハイス、超硬の2種類あります。
この超硬ボーリングバー。
うまく使えばハイス使用時よりも
圧倒的に早く高品質で加工する事ができるけど、
デメリットを理解してないと使いこなすことが難しいですね。
そこで今回は、
高精度で高速加工を実現する事が可能な
超硬ボーリングバーのメリットとデメリットを紹介します。
目次
超硬ボーリングバーのメリット!
超硬を使う1番のメリットは、
ハイスより突き出しが多くてもビビりが出にくいので、
ハイスよりも加工条件を上げることができる。
その結果、工数削減することができ、
尚且つ仕上げ面もハイスよりよきれいに出すことができます。
そして面がきれいだけではなく、
ハイスよりもボーリングバーが逃げにくいので、
H7の公差、円筒度などの幾何公差も出しやすいですね。
ハイスでは同じ寸法で二回削らないと円筒度が出にくい製品も、
超硬だと一回削るだけで円筒度が出るようになる場合もあります。
削る回数が1回減るだけで、
加工時時間は短縮できますよね。
寸法公差、幾何公差などの指示がある
精度の高い製品の内径を加工する場合は
超硬ボーリングバーの方が早くて品質も良く加工できる。
要はハイスのボーリングバーを使うよりも
品質向上、加工時間の短縮が同時にできるので、
今までよりも稼げるようになるんですね。
超硬ボーリングバーのデメリット!
なんといっても値段が高いので、
初期投資の費用が掛かります。
サイズによって違いますが、
ハイスのボーリングバーと比べても
約4~5倍以上の価格がするものもあり、
値段を見たらびっくりする人も多いですね(笑)
そして超硬ボーリングバーは、
ハイスのボーリングバーと比べて折れやすいです。
硬くて逃げにくい特徴がある分、
突く方向に力がかかったら、
粘りがないので簡単に折れてしまう。
特に10ミリ以下の小径のボーリングバーは、
「これで折れるの?」とびっくりするくらい
折れやすいので注意が必要です。
ハイスのボーリングバーと超硬ボーリングバーの使い分け
ハイスのボーリングバー
簡単に言うとハイスのボーリングバーは
荒加工メインで使用します。
仕上げ加工で使う場合、
15mm以下の穴の仕上げは
一般公差のみの仕上げで使う。
(穴が浅い場合は公差の仕上げにも使う時もあり)
H7などの公差の仕上げで使う場合は
直径15mm以上の穴。
しかし加工する穴が深くて、
加工条件を落としてもハイスではビビりが出る、
バイトが逃げて円筒度が出ずに公差を出しにくい場合は、
15mm以上の穴でも超硬に変えた方がいいでしょう。
超硬ボーリングバー
超硬ボーリングバーは、
荒加工では使用せずに、
主に仕上げの時に使用します。
荒加工で使うと、突く力が掛かり
簡単に折れる可能性が高いので、
まず使う事はないですね。
15ミリ以下の公差穴の仕上げをする時は、
公差が安定して仕上がりやすい、
超硬を使います。
ハイスは基本的に一般公差でないと
使用しないです。(穴が浅い場合は例外的に超硬を使用する場合もあり)
15ミリ以上の穴の仕上げでも、
上記に書いたハイスでは突き出し量が多くて、
ビビりが出て加工条件を上げにくい時は、
超硬ボーリングバーを選択します。
超硬ボーリングバーを使うメリット、デメリットを理解して高速加工をやってみよう!まとめ
超硬ボーリングバーの初期投資は高いですが、
ハイスよりも加工条件アップ、公差が安定するなど
加工時間が短縮できるので、
ランニングコストが安くなります。
僕も初めて使った時は
値段の高さと折れやすさを知っていたので、
かなり勇気がいったけど、
超硬ボーリングバーを使いこなせるようになり
周りの職人よりも、圧倒的に早くて
いい製品が作れるようになりました。
深い穴加工の面性のビビり、
円筒度などの幾何公差に悩んでいるなら
超硬ボーリングバーの導入してみると、
ハイスを使っている人よりも、
早くていいものが作れるようになります。
その結果、売上がアップすることになり、
昇給、ボーナスアップに繋がっていきますので、
ぜひ使っていただければと思います。