こんにちは、ネイトです。
今回は、超硬ボーリングバーを折らないようにする為の
注意事項について紹介します。
目次
なぜ超硬は折れやすいのか?
ハイスと比べて高速加工ができる
超硬ボーリングバー。
加工条件も上げれて、
円筒度、面粗さなども出しやすいというメリットがありますが、
非常に価格も高いうえ、使い方が悪いと簡単に折れてしまい、
消耗工具費がかかるデメリットがあります。
なぜ超硬ボーリングバーが折れやすいのか?というと、
突く力に非常に弱いんですね。
画像の方向に負荷がかかり過ぎると
簡単に折れてしまいます。
簡単に折れるとは言っても、
6mmの超硬ボーリングバーでも、
直径0,5mmの切り込みくらいだと
問題なく削れるんですね。
(突き出し2d、Vc120,f0,05mmの加工条件で切削時)
しかし内径の底面などの壁に当たってしまい、
画像の方向に負荷が掛かりすぎると
簡単に折れてしまいます。
ハイスは粘りがあるので、
突いても折れにくいが、
超硬はハイスと同じ感覚で使うと、
それはもうあっけなく簡単に折れてしまいますね。
どの加工時に折れやすい?
今まで色々な超硬ボーリングバーの折れ方を見ましたが、
一番多いのは座繰り穴を加工してる時ですね。
座繰り穴を加工中、穴の底面に
超硬ボーリングバーを当ててしまって折れるといった
事例がダントツに多いです。
そして折ってしまった人が決まって言うのが
「ちょっとしか当ててないのに折れた」と言います。
特に10mm以下の超硬ボーリングバーになると、
ちょっと端面を突いただけでも簡単に折れます。
5~6mmの小径ボーリングバーになると、
壁に0,03mmほど突いてしまっただけで
簡単に折れてしまいます。
これが柔らかいアルミや真鍮だとしても
簡単に折れます。
超硬ボーリングバーを使う時は、
「ちょっとくらいなら端面に食い込ませてもいいだろう」
という気持ちを抑えて、
底面に当てて突くという加工をやらない
という意識が必要です。
その突かないようにする事を気を付けて削ると、
滅多に折れる事はないですね。
上手に使うと大きな武器になり、
ハイスしか使わない人よりも
圧倒的に早く高品質に加工することができるでしょう。
その分、超硬ボーリングバーは、
かなり高価な工具になります。
この価格にビビって導入を躊躇してしまう人もいるかもしれないですが、
注意して使えば加工条件のアップによる工数削減で余裕で元は取れます。
工具代金を回収する前に折ってしまえば悲惨ですが・・・。
しかし超硬ボーリングバーを使いこなすことで、
ハイスしか使ってない周りの職人に
加工時間、品質面で差をつける事ができます。
その結果、売上アップすることができ、
昇給、ボーナスアップに繋がる可能性が高くなります。
今回紹介した内容に注意して
超硬ボーリングバーを折らないようにして
使いこなせるようになると、
非常に大きな武器になります。
ぜひ、超硬ボーリングバーを折らずに使って
早くて高品質な製品を加工できるように
なっていただければと思います。