こんにちは、ネイトです。
今回は旋盤で使う生爪を
ワークに傷が入りにくいように成形するコツを
紹介します。
突然ですが、旋盤、NC旋盤で生爪を
どのような形状に削って使っていますか?
生爪はワークの直径に生爪の径を合わせて削るのが基本。
ですが、間違った削り方をしてしまうと、
ワークに傷が入って不良品になったり、
生爪を長く使えなくなってしまう可能性があります。
では、どのような削り方が良くて、
どのような削り方が悪いのか??
実例を交えて紹介していきます。
目次
生爪の良い削り方、悪い削り方
まずは2つの画像の生爪の削り方を比べてみてください。
1枚目の画像は、
削った部分がボルト穴に掛からずに
全面が出ています。
対して2枚目は、
削った部分がボルト穴にかかって、
中心が割れている状態になっています。
この2つを比べてどちらがよくて、
どちらが悪いかわかりますか?
生爪の良い削り方
1枚目の画像の生爪は、
削った部分がボルト穴に当たることなく、
全面がきれいに出ています。
このように生爪を削ると、
削った部分の全面がワークに当たり、
2枚目の画像の削り方と比べて、
同じ力で締めても掴む力が強くなります。
また、ボルト穴部分が破れてないことにより、
生爪よりもワークの径が小さい場合は
中心でワークを掴むようになり、
ワークに傷が入りにくいです。
生爪はワークと同じ径に削るのが基本ですが、
この生爪の削り方だと、
生爪の径よりワークの径が小さいものを掴んでも
傷が入らないので、
生爪を削る工数が削減できます。
(径が小さいと中心の点が当たるだけなので、ワークに傷が入らない)
生爪の悪い削り方
まず何が悪いかというと、
ネジ穴の部分まで削っているので、
中心が割れてしまってます。
ここが割れていると、
生爪の径をワークの径と全く同じにしておかないと、
ワークに傷が入りやすいですね。
画像に印をつけた部分が、
ワークに当たり傷が入りやすいです。
以前やたらとワークに傷をつける人がいたんですね。
生爪を毎回成形しているにも関わらず、
キズをつけていたので不思議に思っていました。
「生爪の径がきちんと合ってないのかな?と」思っていましたが、
きちんとワークと同じ径に合わせて削っているとの事。
「それでも傷が入るという事は何かがおかしいはず」と思って作業を見たら
ちょうど画像に印をした部分がワークに当たって、
キズが入っていました。
さっそく生爪を中心が割れてないのに交換したところ、
キズが入らなくなって綺麗な仕上がりになりました。
爪とワークを同じ径に削っても中心が割れていたら、
ワークを掴むときに、
その割れた部分がワークに当たって
キズが入りやすくなります。
(特にアルミなどの柔らかい材質のワークを掴む時)
旋盤で生爪を成型したのに、ワークに傷が入ってしまう場合、
このような削り方をしている可能性が高いです。
この削り方だと、
ワークに傷が入りやすいだけではなく、
毎回ワークと同じ直径に成型する必要があり、
他の直径のワークにも
生爪の使い回しができません。
非常に使いにくい生爪になってしまってます。
僕はこれに気が付いてから、
すべての生爪を中心が割れない削り方に変えました。
そうするとワークに傷が入る事がなくなり、
生爪の成型回数も減り、
作業効率が大幅にアップ。
周りの職人さん達よりも早く仕事ができるようになり、
一気に稼げるようになりました。
もし生爪を成型しているのに傷が入ってしまう場合、
今回紹介しているような削り方をしている可能性があります。
せっかく生爪を成型したのに、
ワークを掴んだら傷が入って失敗になってしまい、
上司に怒られてしまうことになったら、
悲しいですよね。
そうならないためにも、
今回紹介した生爪の削り方を意識して、
ワークにキズが入りにくい生爪の成型方法を
ぜひ実践してみてください!