こんにちは、ネイトです。
以前書いた普通旋盤作業2級のおすすめバイト、チップの記事、おかげ様で大変好評でした。
やはりバイトやチップの情報ってあまりないので、調べている人が多いみたいですね。当サイトでもチップに関する問い合わせが多くなってきました。
今は自分で工夫して研いだロウ付けバイトもほとんど使われなくなり、市販のチップなどを使われることが多くなってきたので、隠す必要はないと思いますが・・・。
基本的な工具や加工方法は閉鎖的にするよりも情報を公開した方が、旋盤などの金属加工に興味を持ちやってみようと思う人が増えると思いますが、なかなか難しいんでしょうね。
工具に関する情報がなく、技能検定の旋盤1級の加工工具に悩んでるあなたの為に、私が技能検定を受けた時に使った普通旋盤作業1級のおすすめバイト、チップを紹介します。
内容は2級とほぼ同じですが、1級はローレット加工、突っ切り加工、内径ねじ切り加工が新たに加わっています。
目次
外径加工用バイト
6コーナー使用できるT型のチップを使うので、そのチップが付けれるバイトを選択する。メーカーはどのメーカーでも可。
20角のバイトでも加工できるが、25角のバイトの方が強度があって切削も安定しやすいので私は25角のバイトを使用しています。
外径荒加工チップ
外径の荒加工チップはサンドビックの中切削チップがおすすめ!
このチップブレーカーは切削抵抗が低いので、パワーがあまりない汎用旋盤でもスムーズに切削することができる。
切粉もパラパラと切れやすくて繋がりにくく、切粉がワークに絡んで除ける時間短縮にもなる。時間制限がある技能検定では、切粉を除けるちょっとした時間も削減できるのが大きい。
外径仕上げチップ
仕上げチップは京セラのPVDコーティングのチップ、中でもPR1125がおすすめ!
「S45Cを削るならサーメットだろ!」と言う方もいると思いますが、試験会場の汎用旋盤は、回転数があまり上がらない機械が多い。最大でも2000rpmくらいで、機械の種類では最大でも1500rpmしか回らない機械もある。
そうなると高速回転で面を出すサーメットだと、回転数が足りなくて面粗さを出しにくい。そこでPR1125シリーズを使うと、低速でも面粗さが出やすくてストレスなく加工できるのでおすすめ。
内径ボーリングバー
課題の素材には元々20mmの下穴が空いているので、最少加工径が18mmからのボーリングバーを使うと加工しやすい。最少加工径20mmのボーリングバーでも加工できるが、穴とボーリングバーの間の隙間が少ないと切粉が詰まりやすくなる。
そういった点から最少加工径18mmからのボーリングバーを選択した方が加工しやすい。
内径荒加工チップ
内径荒加工も京セラのチップ。HQブレーカーが切粉を切ってくれるので、切粉絡みを除ける時間が短縮されて扱いやすい。
内径仕上げチップ
内径仕上げチップの外径仕上げと同じく京セラのPRシリーズがおすすめ。低回転でも面粗さが出やすいので、一度使うと癖になる人が続出中!!
外径溝入れバイト
京セラの溝入れチップを使うので、京セラの溝入れバイト選択。溝の仕上げは逆刃バイトを使って仕上げる人もいるが、私は溝入れバイトで仕上げ加工している。
1級の課題だと、端面の干渉を考えて片肉20mm削れるタイプを選択してやるとよい。
溝の荒加工は3mmの突っ切りバイトで加工、仕上げは紹介している溝入れバイトとチップの組み合わせで仕上げると、チップの摩耗等少なくてスムーズに加工できます。
外径溝入れチップ
京セラ(株) 京セラ 溝入れ用チップ PR930 PVDコーティング COAT GMG3020-03MG-PR930 TA…
溝入れチップは京セラの溝入れチップ。チップの幅は3mm、チップブレーカーは切れ味重視の研磨ブレーカーがビビりも出にくくて使いやすい。
外径ねじ切りバイト
課題にあるM24×2,0の細めねじを加工できるチップが付くバイトを選択してやるとよい。
外径ねじ切りチップ
チップは京セラのPVDコーティングのチップを選択。
汎用旋盤でのねじ切りは、ピッチより深めに切る場合が多いので3mmまで切れるチップを選択してやるとよい。
さらい刃が付いたチップはバリを除去してくれるというメリットがあるが、切り込み過ぎると外径が削れ過ぎてしまい、一般交差を切ってしまう場合があるので、さらい刃はない方がいい。
内径ねじ切りバイト
M24×2,0の内径ねじ切りバイトは、内径20mmから加工可能なバイトがおすすめ。
ねじ切りの深さが浅いので、バイトの突き出し量も短くてビビりも出にくいのでシャンクは16mmでも問題なし。
内径ねじ切りチップ
内径ねじ切りも京セラのねじ切りチップがおすすめ。チップはP2,0以上切れて、さらい刃がないタイプのものが加工しやすい。
突っ切りバイト
1級は突っ切り加工も行うので、突っ切りバイトも必要になる。溝入れバイトでも突っ切りできないことはないが、チップの摩耗などの点から突っ切りバイトを用意した方が加工しやすい。
突っ切りチップ
突っ切りのチップはMWブレーカーがおすすめ。切粉も切れやすくて絡みにくいので、機械が止まる時間が減り、スムーズに加工することができる。研磨ブレーカーよりも刃先強度が高いので、突っ切りに適している。
チップの幅は溝入れと同じ3mmを選択すると、チップの幅をずらして加工する時の計算間違いが起こりにくい。
ローレット
ローレットは転造、切削ローレットの2種類ある。切削ローレットの方が抵抗は少ないが、中心の高さをきちんと出さないと、ローレットの山がずれて綺麗にならない。転造ローレットの方が抵抗は大きいが高さがきちんと出てなくても、ローレットの山がきれいに立つので個人的には転造ローレットをおすすめします。
スーパーツールの転造ローレットだと、段差があるワークの壁際までローレットを加工することができるので、技能検定のみならず技能五輪や技能グランプリの課題にも使うことができます。
【技能検定】普通旋盤1級おすすめ工具!【バイト、チップ】まとめ
色々なメーカーのバイト、チップがありますが、普通旋盤1級の課題なら上記の工具を使用すると加工しやすいでしょう。私は上記の加工工具を使って1級を受験して合格しました。(チップ材質などは当時使用したものと違い、一部最新の物をおすすめしています)
今回おすすめした工具は技能検定でしか使えない工具ではなく、普段の仕事でも使用しやすい工具を選択してます。
どの工具を使ったらいいか迷っている方は、是非参考にして技能検定に挑戦してみてください!