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【旋盤】チップ欠けを防ぐテクニック!【穴の開いてないフランジ加工編】

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こんにちは、ネイトです。

 

回は汎用旋盤、NC旋盤で

穴の空いてないフランジを荒加工する時に、

チップを長持ちさせるテクニックの話

穴の空いてないフランジ加工編です。

 

 

旋盤で加工している時に起こるチップ欠けですが、

穴の空いてないフランジのある部分を加工する時に

よく起こりやすいです。

 

そのチップが欠ける原因に気が付かずに加工を続けると、

チップを頻繁に欠かしてしまい、

機械を止めて新しいチップに交換ばかりしていると、

チップを欠かしてない人と比べて、

仕事のスピードも遅くなってしまいます。

 

さらに上司や先輩に、

「お前チップ使い過ぎ。そのチップいくらするのか知ってるの?」

「消耗工具費が掛かりすぎて赤字になるぞ」

と怒られてしまい、嫌な気持ちになってしまいます。

 

僕自身も過去によくチップを欠かしてしまい、

上司や先輩に「チップを大事に使えや」などと

怒られてきました。

 

自分では大切に使っているつもりなのですが、

なんでチップが欠けるのか原因が分からないので、

何度も同じ失敗を繰り返してしまう。

 

そして上司や先輩に怒られて凹んでしまう

悪循環に陥ってしまっていました。

 

しかし、チップが欠ける原因を理解することで、

穴の空いてないフランジを加工する時でも、

チップを欠かしてしまうことは皆無になり、

効率よく加工することができるようになりました。

 

そこで、今回、

旋盤で穴の空いてないフランジ加工をする時に

チップ欠けが起こりやすい部分や

チップ欠けを防ぐテクニックを紹介します。

 

チップ欠けが起きやすい状況は?

汎用旋盤、NC旋盤で

中心に穴があいてないワークを加工している時に、

中心付近を削っていると

チップがよく欠けてしまう事ってないですか?

 

 

僕が見習いだった当時、

中心に穴の空いてない製品を加工する時に、

チップ欠けを頻繁にやっていました。

 

特に100mm以上の穴の空いてないフランジ加工をする時に

中心付近を加工しているとよくチップが欠けていました。

 

直径100mm、全長20mmの

いたって簡単なフランジ金型(SKD11)

を加工していたのですが、

荒削りをやっていて中心付近を削る時に、

特にチップをよく欠かしてしまっていましたね。

 

旋盤を使い始めて間がない頃だったので、

チップが欠けるのは自分が悪いとは思わず、

SKDだから欠けやすいんだと思っていました(笑)

 

 

しかし6コーナーあったチップを

全部欠けさせてしまった時。

 

上司や先輩に

「チップがもったいない、ちゃんと考えて削れや」

と怒られてしまいました。

 

 

そこで「さすがに自分がおかしいのかな?」と思い

旋盤を教えてくれていた師匠に相談。

 

笑いながら対処法を教えてくれて、

その方法を試すとチップを欠かさずに

長持ちさせて削ることができるようになりました。

 

チップが欠ける原因は?

これは単純に回転数に対して

送りが早いのが一番の原因です。

※バイトの高さがきちんと出て、適切なチップを選択している状態。

 

 

旋盤は中心に向けて削っていくにつれて、

回転数を上げないといけません。

 

切削速度120で

直径50mmを削るなら約740rpm。

 

直径25mmを削るなら

約1500rpmといった感じで、

削る径が小さければ小さいほど、

早い回転数が必要になります。

 

 

しかし切削速度を維持するために回転数を上げていくと、

中心にいくほど凄まじい回転数で削らないといけなくなります。

 

汎用旋盤の最高回転数では、

とてもじゃないけど足りません。

 

さらに直径の大きいフランジを

チャックで掴んでいる時に、

回転数を上げ過ぎると、

遠心力でチャックが開いて

ワークが飛ぶ可能性が出てきます。

 

 

そうなってくると当然、

汎用旋盤、NC旋盤ともに中心付近を削るのに

適切な回転数が足りてない状態で

削るようになっています。

 

 

その回転数が足りてない状態で中心付近まで削っていくと、

回転数に対して送りが早くなり、

削るというよりはむしりとるような削り方になり、

その時にチップが欠けやすくなります。

 

これが直径が大きくて

中心付近に穴が開いてないワークの

中心付近を荒加工する時に

チップが欠けやすくなる理由ですね。

 

チップ欠けを減らす対処法

これは、非常に簡単で、

中心付近を削る時の送りを下げるだけです。

 

 

 

この画像を見ての通り、

中心付近の送りを落として削っています。

 

たったこれだけで

チップが欠けにくくなって

長持ちするようになります。

 

 

削るたびにチップが欠けて、

何度もチップを交換する手間がなくなり、

上司や先輩に怒られるストレスから

解放されるのです(笑)

 

汎用旋盤だと

中心付近まで削ったら自動送りを止めて

手動でゆっくり送りながら削る。

 

NC旋盤なら20mmくらいまで削る送りと

中心付近を削る送りを変えてやる。

(例)G1 X20、0 F0、3 で削ってそこからG1 X-1、0F0、1で削る。

 

このような感じで

中心付近を削る時に送りを調整してやるだけで、

チップが欠けにくくなって長持ちするようになります。

 

チップが長持ちするようになることで、

消耗工具時も削減できて、

給料やボーナスの査定に好印象を与えるようにもなりますね。

 

簡単な内容ではありますが、意外と知らない人が多い

ワークの中心付近の送りを落とすだけのテクニックなので、

是非お試しください!!

この記事を書いた人

ネイト

汎用旋盤を使って1年100万円超える失敗をしてクビ寸前だったのに、作業手順書を作ったら失敗が減り汎用旋盤が飛躍的に使えるようになって人生変わった1級普通旋盤技能士。(知事賞受賞、技能五輪、技能グランプリ出場)

「仕事は見て覚えろ」という旋盤業界の教え方が大嫌い「きちんとした手順さえ知れば誰でも汎用旋盤を使えるようになる」という理念のもと、汎用旋盤の使い方失敗の対策の方法について、20年汎用旋盤を使ってきた経験をもとに情報発信をおこなっています。

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