こんにちは、ネイトです。
今回はコロナの影響で旋盤の仕事が減った時に
やっておきたい3つのことについて紹介します。
日常生活や経済に大きな影響を与えている
新型コロナウイルス。
報道で存在を知った時は、
正直すぐに収束するだろうと思っており、
ここまで酷くなるとは全く予想してませんでした。
幸いにも僕は、
仕事の面ではコロナの影響を受けてませんが、
自動車関係の部品をメインで
加工していた友人の会社は、
思いっきり影響を受けています。
前年比の2割程度しか仕事がなく、
休業補償を申請するために休日も増えており、
出勤日も仕事がないので、
のんびり掃除をしている人も多いとか。
僕もリーマンショックの時に
仕事が一気に減って暇になる経験しました。
その時は暇になったからといって、
定時までのんびり掃除するのではなく、
それまで仕事が忙しくてできなかった、
汎用旋盤のスピードアップをするための
勉強をする時間に充てて、
レベルアップすることができました。
今回はリーマンショックの時よりも
酷くなることが予想されています。
しかし、時間に余裕ができた時こそ
「とりあえず暇だから掃除しようか」と
目的無く時間を潰すのではなく、
汎用旋盤の仕事のスピードをアップするために、
整理整頓や加工方法の勉強を
やっておくことを推奨します。
汎用旋盤のスピードアップに繋がる
具体的な内容はこの3つ。
①整理整頓(バイト、チップ、生爪、治具など)
②加工方法(加工工程)の勉強、復習
③失敗の原因追求と対策
この3つの内容をきちんとやることで、
今までより汎用旋盤を使って
早く仕事ができるようになるのです。
それではそれぞれの内容と
汎用旋盤の仕事が早くなる理由について
解説していきます。
目次
整理、整頓(バイト、チップ、生爪、治具など)
バイトなどの工具を整理整頓をする理由は
加工中にバイトやチップ、
治具などを探す時間を減らして
旋盤を動かす時間を増やして、
仕事のスピードを早くするためです。
意外かもしれませんが、
このバイトやチップ、治具を探す時間は
作業台の整理整頓ができてないと
1日の汎用旋盤を使って作業する時間の中で
多く発生してしまいます。
僕が見習いだったころ、
師匠に「仕事中に機械が止まってる時間が多い」と
注意されたことがありました。
自分では注意されるほど加工中に
機械を止めてるつもりはなかったのですが、
仕事が早い人から見たら機械を止めて
工具を探す時間が多く見えたようです。
そこで1日の作業の中で
どのくらいバイトやチップ、生爪を探して
機械を止める時間が発生しているのか?
というのを測定したことがありました。
自分の中では
「せいぜい10分くらいだろう」
と思っていたのですが、
実際に工具を探すため機械を止めた時間は
1日平均で70分という
膨大な時間が発生していました。
「まさかそんなに探す時間があったのか?」
と最初に時間を見た時は
信じられませんでしたね。
しかし、実際にそれだけ工具を探す
無駄な時間が発生しているのを
測定時間が証拠としてあったし、
他の仕事が早い旋盤工の人よりも
仕事が遅かったのは事実。
素直にバイトやチップを探す
無駄な時間が多かったのを認めて
作業台のバイトやチップ、
そして治具などを整理整頓して、
探す時間を減らすようにしました。
すると、それまで無意識のうちに
バイトやチップを探していた
無駄な時間が無くなって、
旋盤をずっと動かせるようになり、
仕事のスピードが一気に早くなったのです。
まるで各駅停車の鈍行列車に乗っていたのが、
特急列車で目的地まで一気に進むように。
たかが作業台の整理整頓を
するだけかもしれませんが、
仕事のスピードを早くするために
とても大きな効果があるのを
身をもって実感しました。
ただ、仕事が忙しいときは、
納期を守って加工するのに必死で、
作業台の整理整頓をやる時間って
なかなか確保しにくいんですよね。
しかし、今回のコロナの影響で仕事が減って、
時間が取れる時にやっておくと
バイトやチップを探す無駄な時間が減り、
早く仕事を進めることができます。
また、生爪成型時間を短縮するために
生爪成型リングを作るのもおすすめです。
このように作業台の整理整頓をすることで、
加工中に旋盤を止めて工具を探す時間が減り、
仕事のスピードをアップすることができます。
逆に「仕事が少なくて暇になった」と言って
掃除をして時間を潰しているだけだと、
時間がとても勿体ないです。
もしあなたが「暇だ~」と言っている間に、
社内の他の人が整理整頓をして
仕事中の無駄を減らしていると、
再び旋盤の仕事が忙しくなった時に
スピードに大きな差が出てしまい、
給料やボーナスでも負けてしまう
可能性が高くなります。
なので作業台の整理整頓を、
少しでも仕事が減った時にやっておくことを
強くおすすめします。
勉強、復習(加工方法)
勉強や復習の内容ですが、
主にそれまでやったことのある
仕事の加工方法(加工工程)をまとめると、
図面を見てから加工方法を考える時間が早くなり、
仕事のスピードアップに繋がります。
図面を見てから加工に入る前に、
加工方法を考える時間が長ければ長いほど、
機械が止まっている時間も長くなり、
当然ですが加工時間も遅くなります。
特に経験の浅い方は図面を見た後に
「どの手順で加工したらいいのかな?」と
加工方法を考えて機械が止まる時間が
ベテランの方と比べて長い傾向にあります。
僕も見習いだったころに、
図面を見てから加工方法を考える時間が長く、
機械が止まっている時間が
他の先輩よりも長くなっていました。
機械が止まる時間が長くなると、
当然ですが仕事のスピードも遅くなってしまい、
上司に「仕事の取り掛かりが遅い」と
怒られることがよくありました。
そこで、図面を見てから加工方法を
考える時間を短縮するために、
それまで加工した図面を見て、
加工方法や使用工具などをまとめるようにしました。
(使用チップや加工条件を記入した図面)
すると、それまで図面を見てから
加工方法を考えるまでの時間が
1枚20分くらいかかっていたのが、
15分、10分、5分と減っていき、
最終的には図面を見てすぐに
加工方法を考えれるようになったのです。
そしてリピート品や類似形状の仕事だけでなく、
新規で初めて加工するワーク形状の仕事でも、
すぐに加工方法を考えれるようになりました。
加工方法をまとめる内容は以下の4つ。
①加工手順(どの順番で削ったか、)
②生爪や治具(生爪の径や深さ、チャック圧など)
③使用したバイト、チップ、ドリル(荒加工、仕上げ加工、溝入れやねじ切りなど)
④加工条件(回転数、切り込み、送り)
これらの内容をまとめておくと、
加工方法を考える力が身に付き、
初めて加工する形状の仕事が来た時も、
素早く加工方法を考えれるようになります。
すると、周りの職人が加工している中、
自分だけが機械が止まった状態で、
上司に「いつまで機械止めて考えてるんだ」
と、怒られることもなくなり、
仕事が早くなるだけでなく、
上司に怒られるストレスからも解消されます。
人間は忘れやすい生き物なので、
加工した内容を忘れてしまうのは
仕方ないかもしれません。
しかし復習をすることで
自分の頭の中に加工方法などが
着実に定着するようになるので、
僕は復習することを推奨しています。
失敗の原因追求と対策
失敗の原因追求と対策ですが、
これまで汎用旋盤で失敗してきた内容を
分析して再発防止策を立てることです。
汎用旋盤で加工している中で、
h7の公差が外れて失敗した
図面の寸法を見間違えて加工して失敗した
ねじ切り加工中にバイトがワークに当たって失敗した
など、誰もが失敗の経験があると思います。
失敗は財産であると言われますが、
それはきちんと原因を見つけて対策を立てた場合。
失敗しても何も対策を立てずに放置していると、
財産ではなくゴミになってしまいます。
せっかく頑張って旋盤加工をしていても、
失敗することで再製作の時間が発生して、
周りが帰った後も一人残って遅くまで残業。
そして失敗したことについて
上司にボロカスに怒られると、
肉体的にも精神的にも疲れます。
そうならないためにも、
仕事が減って時間が空いた時を利用して、
今まで自分が失敗した原因を追究して、
原因に対しての対策を立てることを
強く推奨します。
h7の公差が外れて失敗したのなら、
正確に公差が出る加工手順を作る。
図面の寸法を見間違えて失敗するなら、
寸法を見間違えをしない図面チェックの方法を
作業手順として作成する。
といった感じで、
失敗の対策をきちんとやっておくと、
同じ失敗をすることがなくなり、
失敗による再製作の無駄な時間を
一気に削減することが可能です。
このような失敗の対策を立てることを
日々の仕事が忙しくて時間が取れずに
できてない方もおられると思います。
そこで時間が取れる時期に
いままでの失敗の原因の追究や
再発防止の対策を立てておくことを
強くお勧めします。
汎用旋盤で失敗した時の対策の立て方は
こちらの記事で紹介していますので、
参考にしてください。
まとめ
今回はコロナの影響で仕事が減った時に
やっておきたい3つのことを紹介しました。
今回紹介した内容は
実践すると非常に効果が高いですが、
仕事が忙しい時は時間が取れずに
できないことが多いです。
しかし、時間が取れるタイミングで
整理整頓や加工方法の勉強をしておくと
仕事のスピードが驚くほど早くなります。
仕事が減って暇になったからと言って、
定時まで掃除して時間を潰す人がいますが、
勿体ないんですよね。