こんにちは、ネイトです。
今回は旋盤のチャックに取り付ける
爪の種類について紹介します。
旋盤でワークを掴むために、
チャックに取り付けるのが爪になります。
ストレートの爪だったり
段が付いた爪だったり
色々な形状の爪が、
工場にあると思います。
その爪にも大きく分けて
硬爪と生爪の2種類あって、
それぞれ特徴があります。
その硬爪と生爪の特徴を知り
加工用途に合わせて使い分けをすることで、
作業効率が上がり早く仕事ができるようになります。
しかし基本的なことだけど
爪の特徴などを教えてなくて、
知らないまま使っている初心者さんもいるのも事実。
そこで今回は初心者さん向けに
硬爪、生爪の特徴と使い分けを紹介します。
目次
硬爪
硬爪という名前の通り、
焼き入れが入った爪になります。
焼きが入っていて硬度が高いので、
ワークの形状に合わせて成形はできません。
ワークの形状に合わせて成形できないので
仕上げた面を硬爪でつかむと、
ワークに傷が入ってしまい
不良品になる可能性があります。
そのような理由から硬爪の使用用途は、
大まかな形状に削る荒加工の時に
使用することが多いです。
硬爪はストレート部に
滑り止めになるスリットが入っているので、
長いものを削る時にワークが動いて中に入りにくいです。
反対側は段が付いているので、
段付きの爪としてフランジなどの
荒加工にも使うことができます。
ただし段の深さが決まっているので、
その深さで加工できるワークに限られるので、
生爪と比べて自由度は減ります。
硬爪使用時の注意点として、
硬爪に焼きが入っている事を知らずに
硬爪を成形しようとして、
チップを溶かしてしまう人がいます。
どうしても硬爪を成型したい場合は、
チップで削るのではなく、
硬爪を削る専用の砥石を使って
成型するといいでしょう。
生爪(鉄)
生爪という名前の通り生材で出来ていて、
材質は主に鉄(SS400)で作られている場合が多いです。
生材なので硬爪と違い、
ワークの形状に合わせて成形することが可能で、
硬爪では掴みにくいワークも
加工しやすい形状に生爪を成型することで
簡単に早く加工することができるようになります。
ワークに合わせて様々な形状に削る事ができ、
高精度にワークを保持することができるので、
仕上げ加工では重宝します。
生爪は荒加工、仕上げ加工の
どちらでも使えるので、
硬爪よりも使用頻度は高いです。
鉄の生爪はアルミの爪と比べて重量があり、
大きい径のワークを掴む時は
遠心力で爪が開く可能性があるので、
掴む力には注意が必要です。
柔らかいワークを掴むのに適した生爪(アルミ)
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鉄(SS400)で作られた生爪の他にも、
アルミ製の生爪もあります。
ワークの材質がアルミや真鍮などの
柔らかいものを掴むとき、
鉄の生爪だと成形しても傷が入りやすいですが、
アルミの生爪だと鉄製よりも傷が入りにくいです。
素材が柔らかいので
鉄製の生爪と比べて成型しやすいけど、
柔らかいので繰り返し精度などの
耐久性は鉄よりも劣るので注意が必要。
【初心者】チャックに付ける硬爪、生爪の違いとは?まとめ
硬爪は焼きが入っているので成型できずに、
荒加工メインで使用することが多い爪です。
硬爪を成型しようとする人がたまにいるけど、
チップやバイトの破損につながるので注意してください。
生爪はワークの形状に合わせて成形できて、
硬爪では掴めない形状の荒加工や、
仕上げ加工に使用します。
ワークの形状に合わせて成型できるので、
硬爪よりも精度があるワークの加工をするときに
精度が出しやすいので重宝しますね。
生爪の材質は加工するワークの材質に合わせて、
鉄、アルミと使い分けるといいでしょう。
今回紹介した
硬爪、生爪の特徴は超基本的なことです。
それぞれの特徴を理解して
加工用途に合わせて使い分けると、
仕事の効率も格段にアップするので
是非覚えてください!