こんにちは、ネイトです。
今回は旋盤のチャックに取り付ける
爪の種類について紹介します。
旋盤でワークを掴むために、
チャックに取り付けるのが爪になります。
ストレートの爪だったり
段が付いた爪だったり
色々な形状の爪が、
工場にあると思います。
その爪にも大きく分けて
硬爪と生爪の2種類あって、
それぞれ特徴があります。
その硬爪と生爪の特徴を知り
加工用途に合わせて使い分けをすることで、
作業効率が上がり早く仕事ができるようになります。
しかし基本的なことだけど
爪の特徴などを教えてなくて、
知らないまま使っている初心者さんもいるのも事実。
そこで今回は初心者さん向けに
硬爪、生爪の特徴と使い分けを紹介します。
目次
硬爪
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2020/01/img_0595-300x225.jpg)
硬爪という名前の通り、
焼き入れが入った爪になります。
焼きが入っていて硬度が高いので、
ワークの形状に合わせて成形はできません。
ワークの形状に合わせて成形できないので
仕上げた面を硬爪でつかむと、
ワークに傷が入ってしまい
不良品になる可能性があります。
そのような理由から硬爪の使用用途は、
大まかな形状に削る荒加工の時に
使用することが多いです。
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2020/01/img_0596-300x225.jpg)
硬爪はストレート部に
滑り止めになるスリットが入っているので、
長いものを削る時にワークが動いて中に入りにくいです。
反対側は段が付いているので、
段付きの爪としてフランジなどの
荒加工にも使うことができます。
ただし段の深さが決まっているので、
その深さで加工できるワークに限られるので、
生爪と比べて自由度は減ります。
硬爪使用時の注意点として、
硬爪に焼きが入っている事を知らずに
硬爪を成形しようとして、
チップを溶かしてしまう人がいます。
どうしても硬爪を成型したい場合は、
チップで削るのではなく、
硬爪を削る専用の砥石を使って
成型するといいでしょう。
生爪(鉄)
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2019/06/img_2023-300x225.jpg)
生爪という名前の通り生材で出来ていて、
材質は主に鉄(SS400)で作られている場合が多いです。
生材なので硬爪と違い、
ワークの形状に合わせて成形することが可能で、
硬爪では掴みにくいワークも
加工しやすい形状に生爪を成型することで
簡単に早く加工することができるようになります。
ワークに合わせて様々な形状に削る事ができ、
高精度にワークを保持することができるので、
仕上げ加工では重宝します。
生爪は荒加工、仕上げ加工の
どちらでも使えるので、
硬爪よりも使用頻度は高いです。
鉄の生爪はアルミの爪と比べて重量があり、
大きい径のワークを掴む時は
遠心力で爪が開く可能性があるので、
掴む力には注意が必要です。
![](https://senbanmania.com/wp-content/uploads/2017/10/旋盤の生爪成型方法-320x180.png)
柔らかいワークを掴むのに適した生爪(アルミ)
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鉄(SS400)で作られた生爪の他にも、
アルミ製の生爪もあります。
ワークの材質がアルミや真鍮などの
柔らかいものを掴むとき、
鉄の生爪だと成形しても傷が入りやすいですが、
アルミの生爪だと鉄製よりも傷が入りにくいです。
素材が柔らかいので
鉄製の生爪と比べて成型しやすいけど、
柔らかいので繰り返し精度などの
耐久性は鉄よりも劣るので注意が必要。
【初心者】チャックに付ける硬爪、生爪の違いとは?まとめ
硬爪は焼きが入っているので成型できずに、
荒加工メインで使用することが多い爪です。
硬爪を成型しようとする人がたまにいるけど、
チップやバイトの破損につながるので注意してください。
生爪はワークの形状に合わせて成形できて、
硬爪では掴めない形状の荒加工や、
仕上げ加工に使用します。
ワークの形状に合わせて成型できるので、
硬爪よりも精度があるワークの加工をするときに
精度が出しやすいので重宝しますね。
生爪の材質は加工するワークの材質に合わせて、
鉄、アルミと使い分けるといいでしょう。
今回紹介した
硬爪、生爪の特徴は超基本的なことです。
それぞれの特徴を理解して
加工用途に合わせて使い分けると、
仕事の効率も格段にアップするので
是非覚えてください!