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旋盤の3爪チャックに付ける硬爪、生爪の違いとは?

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こんにちは、ネイトです。

 

今回は旋盤のチャックに取り付ける

爪の種類について紹介します。

 

旋盤でワークを掴むために、

チャックに取り付けるのが爪になります。

 

ストレートの爪だったり

段が付いた爪だったり

色々な形状の爪が、

工場にあると思います。

 

ダメト
ダメト
なんか色々な形状がたくさんあるけど、こんなに必要なの?

ネイト
ネイト
生爪の種類が多いほど、色々な形状のワークも加工しやすくなるから、必要なんだよ。

 

その爪にも大きく分けて

硬爪生爪の2種類あって、

それぞれ特徴があります。

 

その硬爪と生爪の特徴を知り

加工用途に合わせて使い分けをすることで、

作業効率が上がり早く仕事ができるようになります。

 

しかし基本的なことだけど

爪の特徴などを教えてなくて、

知らないまま使っている初心者さんもいるのも事実。

ネイト
ネイト
まだ「仕事は見て覚えろ」と言って、このような基本的なことを教えない人も多いからね。

そこで今回は初心者さん向けに

硬爪、生爪の特徴と使い分けを紹介します。

硬爪

硬爪という名前の通り、

焼き入れが入った爪になります。

 

焼きが入っていて硬度が高いので、

ワークの形状に合わせて成形はできません。

ネイト
ネイト
砥石を使ったら削ることもできるけど、基本的に成型せずに使います。

ワークの形状に合わせて成形できないので

仕上げた面を硬爪でつかむと、

ワークに傷が入ってしまい

不良品になる可能性があります。

ダメト
ダメト
これ、やってしまったよ。まさか硬爪で掴むとガッツリ打コンが入るとは思わなかったよ。

そのような理由から硬爪の使用用途は、

大まかな形状に削る荒加工の時に

使用することが多いです。

 

硬爪はストレート部に

滑り止めになるスリットが入っているので、

長いものを削る時にワークが動いて中に入りにくいです。

 

反対側は段が付いているので、

段付きの爪としてフランジなどの

荒加工にも使うことができます。

 

ただし段の深さが決まっているので、

その深さで加工できるワークに限られるので、

生爪と比べて自由度は減ります。

 

硬爪使用時の注意点として、

硬爪に焼きが入っている事を知らずに

硬爪を成形しようとして、

チップを溶かしてしまう人がいます。

ダメト
ダメト
これやったけど一瞬でチップが溶けて焦ったよ。

ネイト
ネイト
チップが溶けるだけじゃなく、バイトも壊れてしまう可能性が高いので、絶対に削るのはダメですね。

 

どうしても硬爪を成型したい場合は、

チップで削るのではなく、

硬爪を削る専用の砥石を使って

成型するといいでしょう。

ネイト
ネイト
成型する場合は基本的に、硬爪のストレート部分のみ成型するようになります。

生爪(鉄)

生爪という名前の通り生材で出来ていて、

材質は主に鉄(SS400)で作られている場合が多いです。

 

生材なので硬爪と違い、

ワークの形状に合わせて成形することが可能で、

硬爪では掴みにくいワークも

加工しやすい形状に生爪を成型することで

簡単に早く加工することができるようになります。

 

ワークに合わせて様々な形状に削る事ができ、

高精度にワークを保持することができるので、

仕上げ加工では重宝します。

ネイト
ネイト
生爪を制するものは旋盤を制すってわけじゃないですが、実際に旋盤が得意な会社は色々な種類の生爪を作って持っていますね。

 

生爪は荒加工、仕上げ加工の

どちらでも使えるので、

硬爪よりも使用頻度は高いです。

 

鉄の生爪はアルミの爪と比べて重量があり、

大きい径のワークを掴む時は

遠心力で爪が開く可能性があるので、

掴む力には注意が必要です。

ネイト
ネイト
生爪の成型方法はこちらの記事で紹介しています。

【旋盤】生爪の削り方をマスターして色んな製品を加工しよう!こんにちは、ネイトです。 今回は旋盤の生爪の削り方を紹介します。 https://senbanmania.com/archi...

柔らかいワークを掴むのに適した生爪(アルミ)

 

 

鉄(SS400)で作られた生爪の他にも、

アルミ製の生爪もあります。

 

ワークの材質がアルミや真鍮などの

柔らかいものを掴むとき、

鉄の生爪だと成形しても傷が入りやすいですが、

アルミの生爪だと鉄製よりも傷が入りにくいです。

ネイト
ネイト
アルミ、真鍮などの柔らかいワークを掴むときに使用頻度が高いですね。

素材が柔らかいので

鉄製の生爪と比べて成型しやすいけど、

柔らかいので繰り返し精度などの

耐久性は鉄よりも劣るので注意が必要。

ダメト
ダメト
鉄、アルミの生爪それぞれに一長一短あるってことだね!

【初心者】チャックに付ける硬爪、生爪の違いとは?まとめ

硬爪は焼きが入っているので成型できずに、

荒加工メインで使用することが多い爪です。

 

硬爪を成型しようとする人がたまにいるけど、

チップやバイトの破損につながるので注意してください。

 

生爪はワークの形状に合わせて成形できて、

硬爪では掴めない形状の荒加工や、

仕上げ加工に使用します。

 

ワークの形状に合わせて成型できるので、

硬爪よりも精度があるワークの加工をするときに

精度が出しやすいので重宝しますね。

 

生爪の材質は加工するワークの材質に合わせて、

鉄、アルミと使い分けるといいでしょう。

 

今回紹介した

硬爪、生爪の特徴は超基本的なことです。

 

それぞれの特徴を理解して

加工用途に合わせて使い分けると、

仕事の効率も格段にアップするので

是非覚えてください!

この記事を書いた人

ネイト

汎用旋盤を使って1年100万円超える失敗をしてクビ寸前だったのに、作業手順書を作ったら失敗が減り汎用旋盤が飛躍的に使えるようになって人生変わった1級普通旋盤技能士。(知事賞受賞、技能五輪、技能グランプリ出場)

「仕事は見て覚えろ」という旋盤業界の教え方が大嫌い「きちんとした手順さえ知れば誰でも汎用旋盤を使えるようになる」という理念のもと、汎用旋盤の使い方失敗の対策の方法について、20年汎用旋盤を使ってきた経験をもとに情報発信をおこなっています。

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