こんにちは、ネイトです。
今回は汎用旋盤の3爪チャックに
ワークを脱着する方法を動画で紹介します。
この動画を見ることで、
汎用旋盤の3爪チャックにワークを脱着する方法や、
どのくらいの力で締めて取り付けたらいいのか、
チャックハンドルをどのように持ったら締める力を調整しやすいのか
ということが分かります。
そして効率よく脱着できるようになり、
ワークの形状に合わせて締める力加減も調整できるようになるので、
「締める力が強すぎてワークが歪んで失敗した。」
という失敗が減って、仕事のスピードが早くなります。
目次
汎用旋盤の3爪チャックにワークを脱着する方法!
安全面で絶対守るべきこと
まず最初に安全面での注意点を紹介します。
脱着の際は、高速で回転するチャックに材料を取り付けるようになります。
もし万が一、脱着している際に
誰かが始動レバーに触れて主軸が回転してしまうと、
大けがに繋がる可能性が非常に高いです。
なので、脱着をする際は必ず
ブレーキを踏んで脱着を行い、
万が一脱着の際に誰かが始動レバーに触れた場合でも、
主軸が回転しない状態で脱着を行います。
この状態で必ず脱着をしないと
非常に危険ですので、絶対に守ってください。
そして脱着が終わった後は、
チャックハンドルをチャックから外してから
機械から離れないようにする必要があります。
万が一チャックハンドルを
挿しっぱなしにした状態で
始動レバーを触ると
チャックハンドルが飛んでしまい
誰かに当たると大けがに繋がる可能性があります。
なので必ず脱着の際は
チャックハンドルを挿しっぱなしにして
機械から離れないことを
必ず守って作業してください。
チャックを開閉する方法
3爪スクロールチャックを開閉する方法は、
チャックハンドルをチャックの挿しこみ穴に入れて、
時計回りに回すと締まっていき、
反時計回りに回すと開いていきます。
チャックにチャックハンドルを挿しこむ穴は3つありますが、
挿しこむ位置は3か所ある穴のうち1つに矢印があるので、
その部分にチャックハンドルを挿しこんで回すようにします。
これは、矢印がある部分に挿しこんで回すことで、
爪が均等に締まるようになり、芯が出やすくなります。
逆に矢印のない部分にハンドルを入れて回すと、
芯が出にくくなり、同軸度などの幾何公差がある場合、
精度を出すのが難しくなります。
そのような理由から、チャックハンドルを挿しこむ位置は、
矢印が付いている部分にハンドルを入れて、
チャックを開閉してくださいね。
チャックを締める時の力加減別ハンドルの持ち方
ワークを取り付ける際の締める力は、
それぞれワークの形状、加工時に発生する切削抵抗を考慮して、
締めないといけません。
切削抵抗が強く発生する荒加工をするときに、
軽い力でしか締めてないまま加工すると、
ワークが飛んでしまう可能性があるし、
薄いワークを強い力で締めると、
ワークが変形して失敗してしまう可能性があります。
なので、それぞれ加工する用途、
ワークの形状に合わせてチャッキングする力加減を
調整してやる必要があります。
そして、それぞれのチャッキングの力加減に合わせて、
チャックハンドルの持ち方を変えてやると、
適切な力加減で脱着がやりやすくなるのです。
一番強く締める方法は、チャックハンドルにパイプを入れた状態で、
チャックハンドルの端を両手で持って締める。
次に強く締めるには、
チャックハンドルの端を両手で持って、
.締めると強く締まります。
この2種類の締め方は、
主に荒加工などの切削抵抗が強い加工をするときに
よく締める方法ですね。
次に切削抵抗が低い仕上げ加工をするときや、
薄いワークを掴む時、
チャックハンドルの中心付近を両手で持つと、
力が掛かりにくくなり軽く締めることができます。
さらに軽く締めるには、
チャックハンドル付近を片手で持って締めると、
かなり軽い力で締めることができます。
軽い力で締める時の注意点として、
軽く締めている状態で高速でチャックを回すと
遠心力でチャックが開く力がかかり、
ワークが飛んでしまう可能性があります。
ワークの形状によっては軽くしか締めれない場合もあるので、
その際は回転数を落として加工をすると、
遠心力でチャックが開いてワークが飛んでしまい、
傷が入って失敗することが減りますので、
注意してください。
チャックからワークを外す時の方法
チャックからワークを外す方法は、
チャックハンドルを反時計回りに回して
緩めるだけです。
緩め方はハンドルの端を両手で持って緩めようとすると
緩みにくくて時間もかかってしまうので、
ハンドルの端を手の腹で
トントントンとたたいて緩める方法がおすすめです。
特に初心者の方は
チャックハンドルの端を両手で持って緩めようとしたけど
緩まないのでどうしようか悩んでいるのをよく見かけます。
なので動画で紹介しているように
緩める時はチャックハンドルの端を手の腹で
トントントンとたたいて緩めると
簡単に脱着できるのでぜひやってみて下さい。
チャックからワークを外す時の注意点
チャックからワークを外す時に、
短いワーク(支えてないとチャックから落ちる形状)は、
緩める時に片手で支えてないと、
緩めた瞬間にワークが下にポロっと落ちてしまいます。
そしてワークに傷、打コンが入ってしまい、
修正もしくは不良品になって再製作が必要になります。
せっかく頑張って加工した製品を
脱着の際に落として傷つけて失敗になると
非常にもったいないです。
なので短いワーク(支えてないとチャックから落ちる形状)を脱着する際は、
緩める時に片手で支えてやり、
緩めた瞬間にワークが下に落ちないように注意してください。
まとめ
まず脱着をする際に必ず注意しないといけない点で、
ブレーキを踏んで主軸始動レバーに触っても
主軸が回転しない状態で脱着してください。
万が一、脱着をしている際に
誰かが始動レバーに触れてしまいと
チャックが回転して大けがをする恐れがあります。
もしブレーキのない旋盤で脱着する場合は、
電源を切ってから脱着すると、
安全に作業することができます。
チャックハンドルの持ち方は、
ワークを締める力加減に合わせて
持つ位置を変えてやります。
荒加工など強い切削抵抗が発生する加工の場合、
チャックハンドルにパイプを入れて
チャックハンドルの端を持って両手で締める。
もしくはパイプを入れてない状態で、
チャックハンドルの端を両手で持って締める。
この2種類が荒加工などの切削抵抗が強い加工をする場合に
締める方法になります。
仕上加工のように切削抵抗が低い加工をする場合や、
薄い形状のワークを加工する場合、
強く締めるとワークに傷が入ったり
歪が発生するので軽めに締めます。
その際の持ち方は、
チャックハンドルの中心付近を両手で持って締める。
もしくはチャックハンドルの中心付近を片手で持って締める。
このように締めると、
仕上加工や薄物加工に合わせた適切な力で締めやすくなります。
チャックからワークを外す時は、
手のひらでトントントンと
動画のようにチャックハンドルをたたくと、
楽に緩めることができて
効率よく脱着できます。
そしてチャックから材料を外す時、
手で支えてないと落ちるような形状のワークは、
右手でワークを支えて、左手でハンドルを緩めて脱着します。
今回紹介したように脱着をすると、
効率よく安全に脱着できるようになり、
仕事のスピードアップや品質アップにもつながりますので、
ぜひ実践していただければと思います。