こんにちは、ネイトです。
今回は旋盤で加工する際に使う、
バイトについて紹介します。
ところで・・・・バイトって何?
バイトというのは旋盤で材料を削るための刃物のことですね。
ネイト
旋盤は回転している材料にバイトを当てて、リンゴの皮を剥くように削るから、バイトは必ず必要な物になります。
バイトの種類は大きく分けて2種類あり、、
自分で刃先を成型しないといけない、ロウ付けバイト。
刃先が交換式チップで、
手軽に交換できるスローアウェイ式バイトがあります。
ロウ付けバイトは
自分で刃先を研がないといけないので
初心者にはハードルが高いです。
しかし最近は各工具メーカーさんが
色々な形状のチップを作って
販売してくれていますので、
ロウ付けバイトを自分で成形しないと
旋盤で加工できないということはなく、
市販品を使用したので問題なく加工することができます。
ネイト
今は各工具メーカーさんが作ったバイトやチップも充実しているから、ロウ付けバイトを使うよりも、市販品を使った方がバイトを研ぐ時間も必要ないし、誰でも同じ刃物を使って加工できるからコスパがいいですね。
ネイト
ロウ付けバイトを研いで、製品に合わせた専用のバイトを作った方が、加工時間を短縮できる場合もあるけど、今は市販品も充実しているから、ロウ付けバイトを研がないと加工できない製品は、ほとんどないですね。
バイトの種類
バイトの種類ですが、
ロウ付けバイトを含めると
種類が多すぎて覚えるもの大変だし、
覚えてもあまり使うことがないので、
よく使うバイトに絞って説明していきます。
バイトは外径、内径、溝入れなどの
加工する種類に合わせて色々な形状があって、
それぞれの加工に合わせて
バイトを選ぶ必要があります。
ダメト
バイトってたくさん種類があって、使い分けが難しいイメージがあったんだよね。
ネイト
包丁って出刃包丁、刺身包丁、牛刀などの種類があって、食材に合わせて使い分けるけど、バイトもそれと同じ感じですね。
ネイト
包丁と同じで、外径、内径、溝入れなどの加工する種類に合わせて、バイトを選択すると覚えたらいいですよ!
外径バイト
外径バイトは名前の通り、
外径、端面を削るバイトで、
いちばん使用頻度が高いバイトになります。
外径バイトだけでも色々な形状のバイトがあり、
それぞれ加工する製品の形状に合わせて
加工しやすいバイトを選んで加工すると
効率よく加工することができます。
ネイト
とりあえず外径バイトは名前の通り、外径、端面を削るバイトって覚えてくださいね!
内径バイト(ボーリングバー)
内径を加工するバイトは、
名前の通り内径を加工するのに適したバイトになりますが、
ボーリングバーや中ぐりバイトと言います。
ボーリングバーは、
加工する穴の大きさに合わせて
ボーリングバーの太さを変えると
切り込み量を増やして荒加工できたり、
ビビりを抑えて仕上げ面が綺麗に加工できるなど、
効率よく加工することができるようになります。
ネイト
なので細いバイトや太いバイトなど、色々な太さのバイトがあった方が効率よく加工しやすくなるのです!
ボーリングバーの種類は主に
ハイスと超硬(ちょうこう)があり、それぞれ一長一短あるから、
それぞれの特徴を生かせるように使い分けると、
仕事の効率はめっちゃあがります。
ネイト
小径の公差穴の仕上げに超硬ボーリングバーを使い始めたら、仕上げ加工の時間が一気に早くなりましたね。
ネイト
超硬ボーリングバーについては、こちらの記事で紹介しているので、合わせてごらんください。
超硬ボーリングバーを使うメリット、デメリットを理解して高速加工をやってみよう!こんにちは、ネイトです。
今回は超硬ボーリングバーの
メリット、デメリットについて紹介します。
上記の中で...
ネイト
とりあえずボーリングバーは、
基本的に【内径を加工するバイト】
と覚えたので大丈夫です!
外径溝入れバイト
外径溝入れバイトは名前の通り、
外径に溝を入れるバイトになります。
ネイト
溝入れバイトは主に浅い溝入れ用のバイト、深い溝入れ用のバイトがあります。
ロウ付けバイトが主流だったころは、
溝の幅、深さに合わせてバイトを研いで
成型する必要がありましたが、
今は工具メーカーさんが色々な溝幅や深さのチップを作ってくれたから
ロウ付けバイトを研がなくても市販品で加工できるようになってます。
ネイト
ロウ付けバイトで0,3mmの溝入れを作ろうとして、何度も刃先を飛ばして怒られまくったのは、今となってはいい思い出です。
ダメト
0,3mmの刃先を成型するなんて、想像しただけでも憂鬱になる。
ネイト
昔は市販品がなかったからね~。だからロウ付けだと研ぐ人のレベルによって仕上げ面が変わったけど、メーカーがチップを開発してくれたおかげで、誰でも同じように安定して加工できるようになったのが大きいですね。
ネイト
確かにそうだね(笑)とりあえず外径溝入れバイトは、外径に溝入れ加工をするバイトって覚えてください!
内径溝入れバイト
内径溝入れは名前の通り
内径の溝を加工するバイトになります。
内径溝入れバイトはボーリングバーと同じく、
穴の大きさに合わせて
バイトを用意しないといけません。
ロウ付けバイトで加工していた時は、
加工する穴の大きさに合わせてバイトを研いだりしたけど、
今はメーカーさんが大小様々な、
内径溝入れバイトを作ってくれているから、
めっちゃ助かってます。
ダメト
ロウ付けバイトで内径溝入れを作るなんて、かなり器用じゃないとできなさそう。
ネイト
確かにバイトを成型するのは器用さはある程度必要かな。
ネイト
だけど今は色々な溝幅、溝深さが加工できる内径溝入れバイトがあるので、効率よく内径溝入れ加工ができて助かってます。
端面溝入れバイト
端面溝入れバイトは、
端面に溝を加工するのに適したバイトになります。
外径溝入れバイトと似ていますが、
外径溝入れバイトをそのまま使って
端面溝入れの加工はできません。
この画像を見たらそれぞれのバイトの違いが分かると思いますが、
左のバイトはまっすぐになっていて
右のバイトはアールになっています。
そして左のバイトは外径溝入れバイト、
右のバイトが端面溝入れバイトになり、
端面溝入れバイトがアールになっているのは、
端面溝を加工した時にバイトの下の部分が
製品に干渉してしまうから、
Rの形状になって逃げています。
そのような理由から
外径溝入れバイトをそのまま使って、
端面溝入れは加工できません。
ネイト
初心者が、外径溝入れを端面に入れて加工して、バイトの下が端面に干渉して失敗することをやりますが、バイトも破損する可能性があるから絶対にやったらダメですね。
ネイト
端面溝入れは必ず端面溝入れ用のバイトを使用して加工するようにしてください。
ネイト
端面溝入れ加工については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、合わせてごらんください
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端...
突っ切りバイト
突っ切りバイトは名前のとおり、
材料を突っ切る時に使うバイトになります。
見た目は外径溝入れと同じですが、
突っ切りは切削抵抗やチップへの負荷がかかる加工になるので、
溝入れよりも強度が高いチップを使う事が多いです。
ネイト
バイトの形状は同じだけど、チップを突っ切りに適した刃先強度の強いチップを使うのが突っ切りって感じですね。
ネイト
刃先強度が強い代わりに、切削抵抗はちょっと強め。だから仕上げ加工には向かないけど、幅が広い溝入れの荒加工にも使えます。
ネイト
突っ切りは溝入れの荒加工にも使えるけど、基本的に材料を突っ切るバイトと覚えていたので大丈夫です!
外径ねじ切りバイト
外径ねじ切りバイトは
名前の通り外径のねじを切るバイトになります。
ねじはメートルネジや管用ネジ、
台形ネジなど色んな種類があって、
それに応じてチップを変える必要があります。
ネイト
外径溝入れを溝幅に合わせてチップを変えるのと同じ感じですね。
ねじの種類に合わせてチップを変えることで、
1つのバイトで色んな種類のねじが
切れるようになります。
ただし、ネジのピッチ3,5以上になったら市販のバイトでネジ切りするのでなく、ロウ付けのヘールタイプのバイトを使った方が、加工しやすくなります。
ネイト
ヘールバイトとはバイトの頭の部分が曲がっていて、振動などを吸収してくれる効果があるバイトですね。
ネイト
この蛇みたいに曲がった部分で振動を吸収してくれるから、ピッチが大きいねじを切る場合は、ヘールバイトを使って加工すると、効率よくピッチの大きいねじを加工することができます。
内径ねじ切りバイト
内径ねじ切りバイトは
名前の通り内径のねじを加工するのに
使うバイトになります。
見た目はボーリングバーと同じですが、
チップの取り付け位置が
ねじ切りチップが取り付く形状になっています。
ネイト
見た目はボーリングバーのチップが、ねじ切りチップに変わっただけですね(笑)
ボーリングバーと同じで、
加工する内径に合わせて
バイトの大きさを選ぶ必要があります。
ネイト
ねじの下穴よりバイトの最小加工径が大きいと、バイトが穴に干渉してワークに傷が入って失敗したり、バイトが破損する可能性があるので、絶対にねじの下穴よりも最小加工径が大きいバイトを使わないようにしてください。
ダメト
失敗したりバイトが破損したら、上司にめっちゃ怒られるだろうな。
ネイト
とりあえず基本的に内径ねじ切りも、名前の通り内径のねじ加工をする時に使うバイトと覚えてくださいね。
ローレット
最後はローレットです。
ローレットは簡単に言うと
滑り止めのギザギザを加工するためのバイトになります。
身近なものではマイクロメーターの持つ部分や、
精密ドライバーなどの持つ部分も
この加工がされてますね。
ネイト
意外と日常の製品でも滑り止めにローレット加工されたものが多いですね
ローレットの種類は主に2つあり、
斜めにギザギザが入ったアヤメローレットと、
横にギザギザが入った平目ローレットが
多く使われます。
ネイト
主にこの2種類が多く使われるので、覚えてくださいね!
まとめ
今回は旋盤で使う
バイトの種類を紹介しました。
ネイト
バイトも色々な種類がありますが、全部紹介しているとあまりに多すぎて分からなくなるので、よく使うバイトに絞って紹介しました。
今回紹介したバイトは外径、内径、溝入れなど、
それぞれの加工用途に合わせて使うことで
効率よく加工することができ、
仕事のスピードも早くなります。
ネイト
旋盤で色々な形状を加工する時に、バイトの種類を把握しておくことで、どのバイトで加工したらいいのかすぐにわかり、使用するバイトを考える時間も減ります。
ダメト
じゃあバイトの種類を把握しておくと、すぐにどのバイトを使ったらいいか判断できて、機械が止まる無駄な時間が減るんだね!
ネイト
そういうこと!バイトを考えてるとすぐに5分、10分と時間が経ってしまいますからね~。
ネイト
そうならないようにするためにも、ぜひ、今回の記事を見てバイトの種類を把握して、日々の仕事に役立てていただければと思います。
ネイト
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