こんにちは、ネイトです。
今回は汎用旋盤の各部名称と操作方法について紹介します
目次
汎用旋盤の構成部分
汎用旋盤を構成する部分は、
主軸台、往復台、心押台、
刃物台、脚
の5つになります。
脚は機械を設置している土台部になります。
主軸台各部の名称
①主軸高低速変換レバー
主軸回転の高速と低速を切り替えるレバーです。
この旋盤では
レバーが左にあると高速、右のあると低速、
真ん中がニュートラルになります。
この画像の場合、
レバーが高速に入っていると805rpm、
低速に入っていると95rpmで
主軸が回転するようになります。
②送り変換レバー
送りの速度を変換するレバーです。
このレバーを調整して切削送りの早さ、
ねじ切りの送りの送りを変更します。
③送り正逆切換えレバー
送りの正方向と逆方向を切り替えるレバーです。
端面を倣い加工(引き目)する時や、
左ねじ(逆ねじ)を加工する時など、
送りの方向を切り替える必要がある場合、
このレバーで送りの方向を切り替えます。
④主軸速度変換レバー
主軸の回転速度を変換するレバーで、
単位はrpm(1分間の回転数)です。
①の主軸高低速切換レバーが高速の場合は、
左側の早い回転数になり、
主軸高低速切換レバーが低速の場合は
右側の遅い回転数になります。
主軸が回転している状態で回転を変えようとすると、
主軸内部のギアとギアがぶつかって、
ギアが欠けたり割れたりして破損して、
回転数が変わらなかったり、
回転しなくなる場合があります、
なので回転数を変える時は
必ず主軸が停止した状態で
変更してください。
⑤ねじ切り自動送り表
ねじ切り、自動送りの送り変換ダイヤルで
設定するときの一覧表です。
ねじ切り、自動送りを設定する時は、
この一覧表に書かれた送りを見て設定します。
ねじ切り加工の時もこの一覧表を見て
送り(ピッチ)のギアを設定するのですが、
たまに一覧表を見間違えて、
指定の送り(ピッチ)とは違う送りに設定してしまい、
失敗することがあります。
時に焦って仕事しているときに
起こりやすいケアレスミスなので、
見間違えないように注意が必要です。
⑥電源スイッチ
主電源です。
当然ですが電源が入ってないと
汎用旋盤は動かすことができませんので、
忘れずに電源を入れてください。
⑦チャック
チャックはワークを掴む部分になります。
画像では8インチの
3爪スクロールチャックを取り付けています。
この部分でワークを掴んで回転させて、
ワークにバイトを当てて
リンゴの皮をむくように削っていきます。
チャックの種類や大きさも
2つ爪、3つ爪、4つ爪、6つ爪チャックや、
5インチ、6インチ、8インチなど色々ありますが、
一般的には3つ爪チャックが多く使われています。
⑧ねじ切り、送り切換レバー
自動送りの設定を切換えるレバーです。
画像のレバーは4段階切り換えがあり、
左から切削送り、メートルねじ送り
ニュートラル、インチねじ送りになっています。
(写真の旋盤は元々書いてあった文字が消えているので、手書きで書いています)
⑨送り変換ダイヤル
送りの早さを設定するダイヤルになります。
この部分のダイヤルを動かして、
送りの早さを調整します。
ねじ切りの送りもこのダイヤルで調整しますが、
たまにギアを入れ間違えてしまい、
違うピッチで加工して失敗することがあります。
せっかく頑張って製品を作ったのに、
ギアの入れ間違えで失敗するのは
非常にもったいないです。
往復台各部の名称
縦送りハンドル、横送りハンドル、自動送りレバーなど、
汎用旋盤を操作することがメインの部分になります。
この汎用旋盤では、
縦送りハンドルが左、
横送りハンドルが右についています。
旋盤の種類によっては縦送りハンドルが左、
横送りハンドルが右についている旋盤もあるので、
それぞれのハンドルの位置に合わせて、
操作しやすい立ち位置に動いて操作すると、
効率よく旋盤を使うことができます。
⑩縦送りハンドル
往復台を左右(Z軸)方向に動かすハンドルです。
この汎用旋盤では、
1目盛0.1mmのマイクロメータカラーがついており、
旋盤にデジタルのスケールが付いてない場合は、
この目盛りを見てZの寸法を調整していきます。
⑪横送りハンドル
刃物台を手前、奥(X軸)方向に動かすハンドルです。
この旋盤には、
1目盛0.02mmのマイクロメータカラーが付いていますが、
この仕様は機械によって
【直径表示】【半径表示】で違う場合があるので、
加工する際は注意が必要です。
この旋盤は半径表示の目盛りなので、
0.02mm(1目盛)切り込むと
直径が0.04mm削れるという仕様になっています。
⑫縦・横自動送り切り換えレバー
自動送りの縦と横を切り換えるレバーです。
この旋盤では、
左に入れると縦送り、右に入れると横送り、
真ん中に入れるとニュートラルになります。
⑬自動送りレバー
自動送りをする時に使うレバーです。
主軸を回転させた状態で
自動送りレバーを入れると、
設定した送りで動くようになります。
自動送りレバーを入れたままにすると、
縦送り、横送りハンドルが手動で動かせなくなるので、
自動送りが終わったらレバーを抜いてから、
それぞれのハンドルで手動で操作するようにします。
⑭ハーフナットレバー
ねじ切りをする時に使うレバーです。
ねじ切りをするときは、
このレバーを入れてねじ切りを行い、
ねじ切り後は必ずこのレバーを
抜く必要があります。
このハーフナットレバーを入れていると、
主軸が回転したら設定したピッチ(送り)で
刃物台が動いて加工します。
万が一、ねじ切り加工が終わった後、
ハーフナットレバーを抜くのを忘れて、
高速で回転をさせてしまうと、
刃物台がチャックに突っ込んで
チャックや刃物台を破損させてしまう場合もあります。
⑮始動レバー
主軸を回転させるレバーで。
上に上げると正転、下に下げると逆転、
真ん中がニュートラルになります。
主軸を回転させる時は、
チャックハンドルがチャックに付いてないか?
チャックの前に人は立ってないか?
チャックにワークがきちんとついているか?
を確認してから回転させるようにします。
そうしないと、
チャックハンドルやワークが飛んで人に当たった場合、
大けがや当たり所が悪ければ最悪の事態も起こります。
また、チャックの前に人が立っている状態で
主軸を回転させた場合、
切粉が当たって怪我や火傷をしたり、
可能性もあります。
安全面を考慮せずに主軸を動かすと、
非常に重大な事故につながる可能性が高いので、
始動レバーを操作する場合は
安全面に注意して操作してください。
刃物台各部の名称
刃物台は主に材料を削るバイトを取り付ける部分になります。
非常に鋭利な刃先のバイトを
取り付けた状態で操作するようになるので、
怪我には十分注意して操作してください。
⑯四角刃物台
名前の通り四角の刃物台で、
刃物(バイト)を取り付ける箇所が4つあります。
この刃物台にバイトを取り付けて、
加工するようになります。
⑰刃物台固定レバー
刃物台を固定するレバーで、
刃物台を回転させる時は、
このレバーを緩めてから回転させます。
⑱刃物台ハンドルのマイクロメータカラー
刃物送り台ハンドルに付いている
マイクロメーターカラーです。
この旋盤の目盛りは、
一目盛り0.02mmになっています。
⑲刃物送りハンドル
主にテーパー加工をする時に使うハンドルになります。
ハンドルを時計回りで刃物台が←、
反時計で→に動きます。
普段は刃物送り台固定ネジで固定されているので
使用するときは刃物送り台固定ネジを緩めると、
ハンドルが回るようになります。
⑳刃物送り台
刃物台がこの上を動きます。
㉑旋回台固定ねじ
旋回台を固定しているねじになり、
普段は締めている状態で加工します。
(緩めていると旋回台が動くので加工できない)
主にテーパー加工をするときに
旋回台の角度を振る時に、
このねじを緩めて旋回台を動かします。
この旋盤では画像の部分と、後ろの部分、
そして刃物台の下の部分の3か所あり、
それぞれ3か所緩めることで
旋回台が動くようになります。
㉒旋回台
刃物台が載ってる台で、
㉑の固定ネジを緩めると
刃物台ごと旋回します。
テーパー加工をするときは、
旋回台に表示された目盛りを見て
角度を合わせてから加工します。
㉓刃物送り台固定ネジ
刃物台を固定しているネジで、
このねじを緩めると刃物送りハンドルを回して、
削ることができるようになります。
加工後はこのねじを必ず締めるようにします。
理由は、このねじが緩んだ状態だと、
縦送り、横送りで切削している時に、
勝手に刃物送りハンドルが動いてしまい、
寸法が変わってしまいます。
その結果、狙った寸法通りに削れずに、
失敗になる場合もあります。
特に初心者の方に多い失敗になるので、
必ずテーパー加工後は、
この固定ネジを締めるように
習慣づけてくださいね。
心押台各部の名称
心押し台は主に、
ドリルを取り付けて穴加工をしたり、
回転センターを取り付けて
片センター、両センターの段取りをする場合に
使用します。
㉔心押軸
回転センタをつけたり、
ドリルチャック、テーパーシャンクドリルなどの
穴開け工具をつけたりします。
心押し軸に回転センター、
ドリルチャックのを取り付ける場合、
ちょっとしたコツが必要です。
㉕心押軸丸ハンドル
このハンドルを操作して、
心押し軸の出し入れやドリル加工をします。
㉖心押台クランプレバー
心押し台をクランプするレバーです。
回転センターでワークを抑える段取り、
ドリルなどで穴加工する場合は、
芯押し台をクランプしてから加工します。
㉗心押軸クランプレバー
心押軸をクランプするレバーです。
このレバーをクランプすると、
心押し軸が固定されます。
まとめ
今回は汎用旋盤の各部名称を紹介しました。